ハタケ部からのお知らせ。
のらぼう菜の芽が出ました。
のらぼう菜は在来種の菜花。
春先につぼみを食べます。
上のリンク先ページの一文
「茎立ち菜、トウ菜などと呼ばれる花茎を食べる野菜は、万葉の昔から日本全国に数多く有るが、食味の点では「のらぼう」がナンバーワンであろう。」
早く食べたーい!
ほんとは9月まきなんやけど、存在を知ったのが10月で、慌ててタネを注文してまきました。
せめてタネが取れればいいなと思って。
美味しいのも魅力的だけど、もっと魅力的なのは、他のアブラナ科と交雑しないこと。
菜の花などのアブラナ科は一般的にはとっても交雑しやすくて、今、遺伝子組換えの菜種が外国から入ってきて野生化していることが問題になっていますが、これが栽培しているアブラナ科の野菜と交雑して、遺伝子組換えされた遺伝子が日本の品種に紛れ込んでしまう、ということが懸念されていますし、実際に起こっています。
農家はタネを自家採種することで自立するという話を少し前に書きましたが、こんなことが実際にあると、安心して種取りが出来ません。
その点、のらぼう菜のように他花受粉しない品種だと、遺伝子組換えの遺伝子が混ざる可能性がないので、安心して種取りできます。
遺伝子組換え菜種が入り込まないようにすることが一番大切ですが、こういう自衛手段も考えておくといいなと思いました。
今ちまたで話題の「TPP」。これがもしまとまれば、遺伝子組換えされた品種が日本に入ってくると言われています。
既にアメリカの遺伝子組換え企業は日本の実験圃場を使って遺伝子組換え稲を開発して着々と準備を進めています。
遺伝子組換え作物が出まわることで自然界への影響が心配されますが、農家への直接的な影響としては、タネを自給できなくなる可能性がある、ということです。
遺伝子組換え企業は自社のタネの特許を取得しています。
そのタネと自分のところで作っている作物が交雑したとしたら?
そしてそれを知らずにそのタネをまいて栽培したとしたら?
遺伝子組換え企業の調査員が作物を検査して、自社の遺伝子が検出されたら、知的所有権侵害をアピールするでしょう。
実際でメキシコで起こっていることです。
そうなるとそのタネは使えなくなります。ずーっと昔から自分で種取りをしていた作物が、ある日突然作れなくなるのです。
栽培を続けようと思えば、遺伝子組換え企業からタネを買うしかありません。
そこでは、人間が食べるものとして「安全が当たり前」であるべき農作物の生産ができなくなります。
そもそも、自然界に大昔からある植物の権利を人間が所有できるってことが、おかしくないか?なんちゅう傲慢さ。
ひたすら自然の恵みにすがるしかない農家からすると、おこがましいことこの上ない。
TPPについてはいろいろ言われていますが、何が正しいのか、そして何が一番大切なのかをみなさんも考えてください。
スーパーで安い食材を買えることが大切ですか?
お父さんの仕事が安泰であることが大切ですか?
子供や孫がこれからの未来に、安全な作物を食べることができることが大切ですか?
TPPが始まっても、僕ら循環型農業を営む農家は、理解ある客様と繋がれているから、何とかなるだろう、という考えは通用しなくなりました。
無関係のつもりでも影響を受ける。
山下惣一さんの著書「ザマミロ!農は永遠なりだ」ではありませんが、「この国と国民に農業を守る意思がないのなら、百姓は独立するぞ!」といくら思っても、世を捨てて山奥で自給自足の生活をするとしても、 無関係ではいれなくなりました。
ほんま、どうなってしまうんやろ。
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