うちの鶏舎を見た人がよく、思ったより臭くないっておっしゃいます。
鶏飼いとして勝手に想像していることや、読みかじった本などからの情報で考えると、それは多分、餌のおかげと鶏舎の床のおかげがあると思います。
落ち葉と米ぬかで作った森の香りがする発酵飼料。
自家配合の餌に混ぜて与えています。
発酵した餌がなぜいいのか。
臭いかそうでないかは、発酵しているか腐敗しているかの違いだと思っています。
パンを焼くようになって特にそう思います。パンは発酵食品です。
発酵していると良い匂いがして食欲が湧きますが、腐敗臭は全然いい気持ちはしません。
これは人間の生存本能だと思います。
食べ物はお腹の中で発酵するそうです。
発酵は微生物の働きですが、腸内の微生物状況がよくないと、食べたものが部分的にでも腐敗します。
発酵したエサを毎日与えていると、常に腸内に有用微生物がいる状態になると思います。
それに微生物は糞にも含まれて出てくるでしょうから、 床の発酵にも役だっているかもしれません。
それと鶏舎の匂いって、鶏糞もそうですが、鶏の体の匂いもあると思います。
以前、ヒナ屋さんからある程度大きくなったヒナ(40~50日ほど育成したヒナ)を導入していた時、 最初はとても鼻につく匂いがしていました。
それがうちの餌を食べるようになると、数日かけてだんだん匂いが薄くなって行きました。
人間でも、肉食中心だと体臭が臭くなるっていいますよね。
高カロリー高脂肪の食事は汗腺を刺激してより汗をかくようになるそうです。
それに加えて、汗や血液などの体液自体の質も変わると思います。アルカリ性or酸性、酸化しているかどうか、など。
食べたものが腸の中で腐敗しているとすると、その匂いが汗などを通じて出てくるような気がします。
多分、お肉の味にもかかわってくるでしょう。
うちで育てているヒナは、頬ずりしても気になる匂いはありません。親鶏も同じくです。
うちのエサは動物性飼料は最低限の魚粉と発酵させたカツオカスだけ。タンパク質は大豆で大半をまかなっています。
これに麦や米と糠、発酵飼料が中心。
なんとなく味噌や納豆などの発酵食品とお米を中心とした日本食のような感じがします。
それから床ですが、大きな違いは土の上で飼っているということ。
コンクリートの上で飼われる普通の養鶏場と比べると、鶏糞が排泄されてからどうなるかが全然違います。
コンクリートの上だと何もしなければそのままです。それが積もり積もってあの匂いになります。
土の上、それも発酵菌がたくさんいる地面の上では、鶏糞は短時間で発酵するか乾燥して地面と混ざってしまい、分からなくなります。
落ち葉一杯のこんな地面だと、鶏糞はすぐ見えなくなります。
鶏は地面をほじくるのが好きですし、いろんな意味で土の上で飼うのが一番だと思います。
そんな感じでぜひ、平飼い自然養鶏が増えればいいなと思います。
最近のコメント