うちは農業用倉庫内に、パレットを並べてくず麦やくず大豆、
飼料米など鶏の飼料を置いている。
そのままだとネズミがきて飼料を食べると困るので、パレットの周りに
ネズミ捕りシート(以下チューペッタン)を並べている。
先日トカゲが不運にも張りついていたのだが、粘着力が強いチューペッタンから
どうはがしていいものか思いつかず、ゴメンと心の中で謝りそのままにしていたところ
一昨日チューペッタンの上にいたはずのトカゲがいなくなっていた。
トカゲを食べる生き物が倉庫にいるとも考えられず、そのままこのことは忘れていたのだが、
昨日になって玄関でカサコソ音がするのは、
昆虫ケースにそのトカゲをいれて療養させているためとわかった。
自分が飼ってるウズラの餌仕込みに倉庫に行った時に見つけ、シートからトカゲを
救出した高校生の息子から聞いた。前回(過去にも同じことがあった)は死んでしまったけど
今回はシートのネバネバは粉で取ったら良いとわかったからと小麦粉をまぶしてみたらしい。
養鶏や合鴨農法をしてきて、鶏にしろ合鴨にしろヒヨコのうちにどうしても弱い者は死んでしまうし、
それはそれでしょうがないやんと、いつの間にか弱い者は見捨ててしまってる自分に
気付かされて、慈悲深い息子に目覚めさせられた気がした。
生きとし生けるもの、限りある命を救えるものなら救ってやる。
そんな大事なことを、いつのまに忘れてしまったのだろうか。
なんだか自分がとんでもなく悪い人間に落ちぶれてしまったようで愕然とした。
自分でできなければ今度から息子を呼んで救出してもらおう。
そして人間だからという驕りなく、生き物に対していつも優しい気持ちで接している息子を
私は敬意を持って見習おうと思う。
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