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2013 年 2 月 24 日 - 宇根豊さん講演会 by tadashi

日曜日は、田んぼの生き物調査で有名な、農と自然の研究所の宇根豊さんの講演会に参加してきました。
有機稲作の世界ではこの人を知らねばもぐりだと言われるくらいの方で、うちらも本などでいろいろ教えていただいてきました。
地元たつの市に来られるとなれば、これはもう参加せねば、です。

主催はたつの市の「たつの・赤とんぼを増やそう会」の方々でした。

たつの市は、「ゆうやーけこやけーの、あかとーんーぼー」で始まる、童謡「赤とんぼ」の作詞家、三木露風さんの生誕の地です。
露風が幼い頃を過ごした時代の、田んぼに赤とんぼが飛び回る風景。
今では赤とんぼはめったに見られることが無くなりました。農薬等の影響だと言われています。
赤とんぼ(正確にはアキアカネ)がいる風景を復活させようと活動されています。

講演会の方は、宇根さんのお話だから、それはもう大勢の方がくるんだろう、と思っていたら、結構ガラガラでした・・・。これは残念。

宇根豊さんの活動は、田んぼの生き物調査をして、害虫、益虫、その他の「ただの虫」はどのくらいいるのか、
そして農薬を使う必要があるのか?を農家自身が判断して、減農薬・無農薬栽培を行う助けになるものです。

普通は、農協や農業改良普及所の指導にしたがって、虫がいる・いないに関係なく、農薬を使っている農家がほとんどです。
その結果、日本は世界にもまれに見る農薬使用大国になってしまいました。それでいいのか?の思いから宇根さんの活動は始まっています。

自分で生き物調査を続けていくと、どのくらいの虫の量だったら、農薬を使わなくても大丈夫、ということが分かってくるそうです。
そして、いかにたくさんの生き物がいるかということを目の当たりにすれば、農薬で生き物を殺すということを考えてしまいますよね。

今の農家は大体150種ぐらいの田んぼの生き物を判別(=名前が分かる)できる。
今90歳以上の百姓は500種ぐらい分かるそうです。
それくらい、昔は生き物と向き合って農業を行なってきたということ。

今、無農薬や有機栽培をしている人でも、自分の田んぼにどのくらい生き物がいるか、きちんと知っている人は少ない、と言われました。
これにはドキンとさせられました。正直、僕らもほとんど生き物のことをよく分かっていません。
何となく生き物がウジャウジャいて、ざわざわしていて、生命力がありそうだ、程度です。

宇根さんぐらいの世代の方、60代ぐらいより上の方は、例えば田んぼを干し過ぎてオタマジャクシが死んだりすると、罪悪感で
夕食が喉を通らなくなるくらいだそうです。
僕は畦草を刈っていてカエルを殺してしまったりすると、モヤモヤした気持ちにはなりますが、食事が食べられないというほどのことにはなりません。
時代とともに、感覚が変わってきているのだなと思います。

これはやはり、自分の幼い時からの体験や、いろんな生き物に囲まれて人間の生活が成り立っているということへの実感、
そういうものから来るのだと。人間は他の生き物と一緒に自然の一部なんだ、という意識が日本人の昔からの自然観だと。

なぜ日本人は赤とんぼを好きになったか、それは赤とんぼが自分たちの田んぼでほとんどが生まれること、人懐っこいこと、そういうとても身近な存在だったということ。

そういう生き物を殺してしまう農薬を日本は規制してこなかった。

今、自民党政権は、「農村の多面的機能への直接支払い」という政策が農業政策の目玉になっています。
これは、直接お金には換算できない、田んぼや畑、農村のいろんな価値を見直し、それに対して支払をしましょう、という政策です。

例えば、

・この田んぼはオタマジャクシが1坪あたり◯◯匹いるから、1反あたり◯万円を払いましょう。
・この田んぼは赤とんぼの幼虫ヤゴを殺す農薬を使っていないから、 1反あたり◯万円を払いましょう。
・この田んぼは畦草をきれいに刈って草花の維持に役だっているから、1反あたり◯万円を払いましょう。

というメニューを50ぐらい作って、農家が選んで実践する。
そういうやり方を宇根さんは提唱しておられます。

今までは、農家の所得補償としてお金を払いましょう、という政策でした。
それを、すばらしい自然環境それ自体にお金を払いましょう、にするということ。

そうすれば、国民の意識も変わるんではないか。

ドイツでは、ある村が生産するりんごジュースを地元の人たちがこぞって買い求めるそうです。
それは、美味しいから、健康にいいから、とかいう理由ではなく、

自分たちが住んでいるこの土地の自然・景観・集落を維持するために買うのだと。

これってものすごい意識です。とっても感動しますし、羨ましかったりします。

この西洋人と日本人の意識の違いは、人と自然を分けて考えるか、一緒のものとして考えるか、の違いから来るそうです。

自然環境を守ることに対してお金を使う、税金を使う、そういう意識が日本人にも必要だと言われていました。
政治家もそういう考え方で政策を作る必要がある。

本当にそうだと思います。

他にも中身の非常に濃い講演会でした。
参加された方も目からうろこだと言っておられました。
こういうことを、僕らももっともっと伝えて行かないと、と思います。

まずは自分たちの田んぼの生き物や植物をもっと知ることを始めようと思っています。
とりあえず手引きとしてこれを買いました。

田んぼの草花指標

田んぼの草花のことが写真付きで詳しく書いてあります。
入院されている方にこの本を贈ると、外に出たくなって退院が早まるとか(^^)

食べれるものは食べ方も書いてあります。

僕が花粉症になってるブタクサも食べれるそうですが、やめといたほうがいいんだろうか・・・(^^ゞ

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