あるところにモアが好きな女の子がいました。
彼女はモアで長く伸びた草をなぎ倒して粉々にしていくのが
大好きでしたが、あいにく彼女の仕事場には
モアはなく、なかなかモアを使うチャンスがありません。
ある日いつも青いつなぎを着てる近所の兄さんが
「明日トウモロコシを刈るんやけど」と言いました。
彼女は心ウキウキ、必ず明日行ってやる!と
心に決めました。毎年兄さんはシーズンオフになった
トウモロコシをモアで粉砕するのです。
さていよいよその日がやってきました。
彼女がトウモロコシ畑へ行ってみるとすでに兄さんが
畑1枚を粉砕し終わったところでした。
よかった~間に合った~。
彼女はもう1枚の畑のトウモロコシをモアで粉砕していく
作業をさせてもらいました。
背の高いトウモロコシはトラクタに吸い込まれ、
モアで粉々になっていきます。
大掃除のように見るからにキレイに景色が変わるのは
なんともいえない爽快感。
いい気分でトラクタに乗っていると青つなぎの兄さんは
「あのひまわりも」と言います。
こんなにキレイに咲いてるのに・・・。なんてことを!
しかしここでの現場監督は青つなぎ兄さんです。
逆らえません。泣く泣く彼女はひまわりさんたちに
(ごめんね。私はオペレーターやからあの青つなぎの人が
悪いんやからね・・・。)と心のなかで謝りながら
ひまわりさんたちを粉々に。。。
このジャングルのような草ボーボーを最後に
彼女はモアでの作業ができた満足感と
ひまわりさんへの罪悪感いっぱいで帰途につきました。
おしまい
※文中の誤りは「女の子」だけです。
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